私は、病院の待合室で生きた心地がしませんでした。
「あ~、なんてツイテない男だ。傷口が痛い、おまけに糖尿病」
そう考えていると看護師の呼び声が、「次の方、舌間さんこちらへどうぞ」
あ、私の番だ・・・
私は、松葉杖をつきながら、恐る恐る病室へ・・・
そこには、短髪で色黒のがっしりしたDr.Nが椅子に座り、デスクの上の資料を真剣な様子でのぞきこんでいます。
おそらく、私の血液検査のデーターに間違いない・・・
Dr.Nは、私の顔も見ずに落ち着いた低い声で「どうぞ、そちらにお座り下さい」と手で椅子を指します。
私は椅子に座り、Dr.Nの横顔をただ不安そうに見つめること1分弱・・沈黙
そして静かに、Dr.Nは私の方に顔を向けながら・・・
「大変でしたね、傷口は痛みますか?」とニッコリと微笑んでくれたのです。
色黒でがっしりとしたイメージとは正反対で、それは、それは優しい笑顔だったのです。
私の精神状態もあったとは思いますが、Dr.Nのその笑顔が、仏様のような笑顔に見えたのです。
私はその時、確信することができたのです。
この先生なら、大丈夫だと・・・
その日から私は、Dr.Nの指導を忠実に実践いたしました。
そして、心配だった足の傷も無事に完治することができたのです。
おまけに、身長163cmで72kgあった体重が67kgに、ウエスト87cmが82cmまでになり、ダイエットにもなったのです。
さらに今では、体重59kg、ウエスト73cmにまで落ち、今でいうメダボリックまでも改善することができたのです。
私は週一回、Dr.Nのところにへ通院していたある日のこと、Dr.Nに聞かれたのです。
「舌間さん、最近、尿の臭いはどうですか?」
私も感じていた事なのですが・・・そうなんです。
尿に以前のようなあの独特な臭いが、ほとんどなくなっていたのです。
そして、Dr.Nは
「う~ん、血糖値も落ち着いているし順調ですよ」と・・・
私は、この時 「 臭い 」 という言葉に、敏感に反応してしまったのです。
私を苦しめていた、あの「ワキガ」のことを・・・
そこで、思い切って聞いてみたのです。
「先生、私ワキガなんですが、何か治す方法ありませんか?」
Dr.Nは、いつもの優しい笑顔で言ってくれたのです。
「あ、そうだったんですか、でも今やっていることでワキガも改善できますよ!
もしかしたら、もう、臭いはしないんじゃないですか?」
「えっ、先生本当ですか・・・」
私は、ここ1ヶ月間、足のケガと糖尿病のことで、頭がいっぱいだったせいで、あのワキガのことを忘れていたのです。
恥も外聞もなく私は先生の前で、右脇、クンクン、左脇、クンクン。
あ、臭わない、何度もクンクン、クンクン、臭わない。
「先生、臭いません、臭わないです。」
28年間苦しめられた、ワキガ臭が消えている。
「先生、どうしてですか?」
Dr.Nは、私に言ってくれました。
「舌間さん、私たちの体で一番大切で基本となるのは、血液なんです。
病気をするのも、治すのも血液が大半なんです。
つまり、体質を改善ができた事でワキガも改善できたのです。」
私が無意識のうちに、あのワキガ臭がいつのまにか、私の体から消えていたことに気付いたのは・・・
忘れもしません。
2006年の6月15日木曜日のことだったのです。